扁桃腺の腫れは性病?
扁桃炎との違いと咽頭クラミジア・淋菌の検査目安

扁桃腺が腫れていると、「ただの扁桃炎なのか、性病の可能性があるのか」と不安になる方も少なくありません。実際には、発熱や強い喉の痛みを伴う一般的な扁桃炎のことも多い一方で、オーラルセックスをきっかけに咽頭クラミジアや咽頭淋菌に感染し、喉の違和感や腫れとして気づくこともあります。

咽頭の性感染症は症状がはっきり出ないこともあり、見た目や症状だけで扁桃炎と区別するのは簡単ではありません。

この記事では、扁桃腺の腫れと性病の関係、一般的な扁桃炎との違い、咽頭クラミジア・咽頭淋菌の検査目安、耳鼻咽喉科と性病検査のどちらを受けるべきかについて解説します。

目次

扁桃腺の腫れにおける性病の可能性

扁桃腺の腫れは、一般的な扁桃炎だけでなく、咽頭クラミジアや咽頭淋菌などの性感染症が原因で起こることもあります。特に、喉の痛みや違和感、飲み込みにくさ、扁桃腺の腫れが続く場合は、風邪や扁桃炎だけで判断せず、性行為の状況も含めて考えることが大切です。ただし、症状だけで扁桃炎と咽頭の性感染症を見分けることは難しく、見た目だけで自己判断するのはおすすめできません。

オーラルセックスのあとから喉の違和感や痛み、扁桃腺の腫れが出た場合は、咽頭クラミジア・咽頭淋菌の検査を検討する目安です。咽頭の性感染症は、強い症状が出ないまま感染がつづき、放置するとパートナーへの感染につながります。喉の症状が長引く、性行為後から不安がある、パートナーがクラミジアや淋病と診断された場合は、早めに検査で確認しましょう。

扁桃炎と性感染症による咽頭炎の違い

比較項目扁桃炎性感染症による咽頭炎
主な原因ウイルスや一般細菌による感染咽頭クラミジア・咽頭淋菌などの性感染症
感染のきっかけ風邪、疲労、免疫低下、周囲からの飛沫感染などオーラルセックスなど、口や喉への性的接触
症状の出方急に喉が痛くなり、発熱を伴う喉の違和感・痛み・腫れが出るが無症状のことも多い
喉の見た目扁桃腺の腫れ、赤み、白い膿がつく扁桃腺や咽頭の赤み・腫れが出るが、見た目だけでは判断しにくい
発熱高熱を伴うことがある目立たない
鼻水・咳風邪に伴って出ることがある目立たない
性行為との関連性行為とは直接関係しないオーラルセックス後に症状が出た場合は関連を考える
必要な検査診察、必要に応じて溶連菌検査など咽頭クラミジア・淋菌検査
治療原因に応じて対症療法、抗菌薬など原因菌に応じた抗菌薬治療
放置した場合悪化、反復、周囲への感染、まれに合併症パートナーへの感染、性器への感染拡大、再感染の原因
受診・検査の目安強い喉の痛み、発熱、膿、飲み込みづらさがある場合オーラルセックス後の喉の違和感・痛み、パートナーの性感染症陽性、不安な性行為がある場合

扁桃炎と性感染症による咽頭炎は、どちらも喉の痛みや扁桃腺の腫れとして現れることがあります。特に咽頭クラミジアや咽頭淋菌は症状が軽い、または無症状のこともあるため、見た目や症状だけで判断するのは困難です。オーラルセックス後に喉の違和感が続く場合は、性感染症の検査も検討しましょう。

扁桃と咽頭の違い

  • 咽頭:「喉の空間・部位全体」を指す
  • 扁桃:「咽頭の中にある免疫器官の名称」

扁桃炎はリンパ組織の炎症であり、咽頭炎は咽頭と呼ばれる空間のどこかに炎症が起きている状態です。

性病を疑う扁桃腺の腫れ・喉の症状

オーラルセックス後から喉の違和感が続く

オーラルセックスのあとから喉の違和感、イガイガ感、飲み込みづらさなどが続く場合、咽頭クラミジアや咽頭淋菌などの性感染症が関係している可能性があります。風邪のような症状と似ていても、性的接触との時間的な関連がある場合は検査を検討しましょう。

喉の痛みは軽いのに、腫れや違和感が長引いている

性感染症による咽頭炎は、強い喉の痛みや高熱は目立ちません。痛みは軽いのに、扁桃腺の腫れ、喉の違和感、異物感だけが長引く場合は注意が必要です。症状だけで扁桃炎と見分けるのは難しい事が特徴です。

パートナーがクラミジア・淋病と診断された

パートナーがクラミジアや淋病と診断された場合、自分に症状がなくても感染している可能性があります。特にオーラルセックスがあった場合は、性器だけでなく喉にも感染しているケースがあります。無症状の咽頭感染もあるため、症状の有無にかかわらず検査を受けることが大切です。

喉への感染は一般にまだ認知されておらず、性器が陰性でも咽頭で陽性となるケースも多くあります。

性器の症状と喉の症状が同時にある

排尿時痛、尿道の違和感、おりものの変化、性器の痛みなどに加えて、喉の違和感や扁桃腺の腫れがある場合は、性感染症が複数の部位に感染している可能性を考えます。性器だけでなく咽頭の検査も行うことで、感染部位を見逃さずに確認できます。

当院での咽頭症状の相談例

相談例01|咽頭淋菌
20代女性

数日前から喉の奥に違和感があり、最初は「風邪かな」と思っていました。強い喉の痛みや高熱はなく、普段通り食事もできていましたが、飲み込むときに少し引っかかる感じが続いていました。思い返すと、症状が出る前にオーラルセックスの機会があり、性感染症の可能性が気になって受診されました。性器症状はありませんでした。

診察では、オーラルセックス後から喉の違和感が続いていることから、咽頭淋菌の可能性も考えて咽頭検査を行いました。結果として、咽頭淋菌が確認されました。

相談例02|咽頭淋菌・咽頭クラミジア
30代男性

喉の痛みはほとんどありませんでしたが、喉の奥の違和感が数週間続いていました。市販薬を使ってもすっきりせず、「なかなか治らない風邪かもしれない」と思っていたところ、パートナーが性感染症を指摘されたことをきっかけに不安になり受診されました。発熱や咳はなく、性器の症状もありませんでした。

診察では、パートナーの感染歴があること、オーラルセックスの機会があったことから、咽頭の性感染症を疑って検査を行いました。結果として、咽頭淋菌と咽頭クラミジアの両方が確認されました。

咽頭クラミジア・咽頭淋菌とは?

咽頭クラミジア:喉にクラミジアが感染した状態

咽頭クラミジアは、クラミジア・トラコマチスという細菌が喉の粘膜に感染した状態です。主にオーラルセックスをきっかけに感染し、喉の違和感、軽い痛み、腫れなどが出ることがあります。ただし無症状のことも多く、風邪や扁桃炎との区別は症状だけでは困難です。

咽頭淋菌:喉に淋菌が感染した状態

咽頭淋菌は、淋菌が喉の粘膜に感染した状態です。オーラルセックスによって喉に感染することがあり、喉の痛み、違和感、扁桃腺の腫れなどが出る場合があります。一方で、症状がほとんどないことも少なくありません。放置するとパートナーへの感染源になることがあります。

性器に症状がなくても喉だけへの感染は十分にあり得る

咽頭クラミジアや咽頭淋菌は、性器に症状がなくても喉だけに感染しているケースも多いです。排尿時痛やおりものの変化がない場合でも、オーラルセックス後に喉の違和感が続く、パートナーが陽性だった、不安な行為があった場合は、咽頭検査を検討することが大切です。

喉の症状があるときに受けたい性病検査

代表的なクラミジア・淋菌を中心に、マイコプラズマ・梅毒についても検査を検討する場合があります。例えば性器マイコプラズマ陽性で咽頭クラミジア/淋菌陰性でかつ咽頭症状が続いている場合や、性器や体幹部などに梅毒に特徴的な皮疹を認めた場合などは積極的に疑っていきます。

スクロールできます
検査項目扁桃腺・喉症状との関係補足
クラミジア喉の違和感、軽い痛み、腫れ、無症状も多い性器症状がなくても喉だけに感染していることがあり
淋菌喉の違和感、軽い痛み、腫れ、無症状も多い性器症状がなくても喉だけに感染していることがあり
マイコプラズマ喉の違和感、軽い痛み、腫れ
咽頭症状との関連は議論の余地あり
性器症状がなくても喉だけに感染していることがあり
梅毒扁桃周囲のしこり、潰瘍、白色病変、咽頭痛、違和感として見つかるあり“butterfly appearance”は、蝶が羽を広げたように見える咽頭の白色粘膜病変を指し、梅毒性咽頭炎を疑う所見

喉の症状で耳鼻咽喉科行に行くべきケース

高熱・強い喉の痛み・飲み込めない症状がある場合は耳鼻咽喉科へ

高熱、強い喉の痛み、唾液も飲み込みにくい、口が開けづらい、息苦しさがある場合は、まず耳鼻咽喉科の受診が優先です。急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍など、早めの診察や抗菌薬治療、場合によっては処置が必要な病気が隠れているケースがあります。全身症状が強い場合は、性病検査だけで済ませず、喉の状態を直接確認してもらうことが大切です。

オーラルセックス後の不安がある場合は性病検査も検討

オーラルセックス後から喉の違和感や痛みが続く場合は、咽頭クラミジアや咽頭淋菌などの性感染症も検討します。これらは発熱や強い痛みが出ないことも多く、風邪や軽い扁桃炎のように見えます。性器症状がなくても喉だけに感染していることがあるため、不安な行為やパートナーの感染歴がある場合は、咽頭の性病検査で確認することが重要です。

改善しない場合は咽頭性感染症も確認

扁桃炎として治療を受けても喉の違和感や腫れが長引く場合、原因が一般的な細菌やウイルスではなく、咽頭クラミジア・咽頭淋菌などの性感染症である可能性もあります。通常の喉の診察だけでは性感染症の有無までは判断できません。特にオーラルセックス後の症状、再発を繰り返す喉の違和感、パートナーの陽性歴がある場合は、咽頭検査を追加で検討しましょう。

喉の症状に対して行う検査と料金

検討すべき検査

  • 咽頭淋菌/クラミジア通常検査(3日程度)
  • 咽頭淋菌/クラミジア迅速検査(90分)
  • 咽頭マイコプラズマ検査
  • 梅毒検査

当院では、喉の痛み・違和感・イガイガ感、扁桃腺の腫れなどの症状に加えて、オーラルセックスの有無やパートナーの感染歴、過去の治療歴などを確認したうえで、必要な性病検査をご案内しています。咽頭クラミジア・咽頭淋菌の検査に対応しており、症状だけでは判断しにくい喉の性感染症を調べることができます。必要に応じて、咽頭マイコプラズマや梅毒などの検査も検討します。

検査結果はWebで確認でき、咽頭淋菌・咽頭クラミジアの迅速検査では約90分で結果をお伝えすることも可能です。五反田駅から徒歩2分、平日21時まで診療しているため、お仕事帰りにも受診しやすい環境です。保険証やマイナンバーカードは不要で、匿名での検査にも対応しています。オーラルセックス後から喉の症状が続いている方や、扁桃炎として治療しても改善しない方は、性病検査も含めて確認しましょう。

喉の症状に関する検査料金・プラン

検査料金・プラン
咽頭クラミジア・淋菌
チェック
7,400 円
咽頭クラミジア・淋菌
チェック【迅速】
14,000 円
マイコプラズマ7,400 円
梅毒4,200 円
ベーシックチェック12,800 円
スタンダードチェック21,800 円

当院は自由診療のクリニックであり、保険証の提示が不要で匿名での検査が可能です。また、診察料(初診料・再診料)は無料ですので、相談だけでもまずはご相談ください。

淋菌・クラミジアは咽頭への感染も十分に考えられます。AV業界で定められている定期検査項目の中には咽頭淋菌・咽頭クラミジアが含まれており、オーラルセックスを中心に性器↔︎咽頭間で感染が起きやすい事が知られています。

喉の症状と性病についてよくある質問

扁桃腺の腫れは性病の可能性がありますか?

扁桃腺の腫れは、風邪や一般的な扁桃炎で起こることが多いですが、オーラルセックス後に症状が出た場合は、咽頭クラミジアや咽頭淋菌などの性感染症が関係している可能性もあります。

咽頭クラミジアや咽頭淋菌ではどんな症状が出ますか?

喉の痛み、違和感、イガイガ感、扁桃腺の腫れ、飲み込みにくさなどが出ることがあります。ただし、咽頭クラミジアや咽頭淋菌は無症状のことも少なくありません。

扁桃炎と咽頭クラミジア・淋菌は見た目で区別できますか?

見た目だけで正確に区別することは困難です。どちらも喉の赤み、腫れ、痛みなどが出ることがあります。扁桃に白い付着物が付く場合もありますが、それだけで性病か一般的な扁桃炎かを判断することはできません。

喉の性病検査はどのように行いますか?

咽頭クラミジア・咽頭淋菌の検査では、喉の奥をぬぐう検査や、うがい液を使った検査が行われます。尿検査や血液検査だけでは、喉に感染しているクラミジア・淋菌を確認できないことがあるため、喉の感染が心配な場合は咽頭検査が必要です。

抗菌薬を飲んでも喉の症状が治らない場合、性病検査は必要ですか?

一般的な扁桃炎として治療しても改善しない場合、原因が別にある可能性があります。咽頭クラミジア・咽頭淋菌、マイコプラズマ、梅毒などが関係することもあるため、オーラルセックス後の症状やパートナーの感染歴がある場合は、性病検査も検討しましょう。

扁桃腺の腫れがあるときは耳鼻咽喉科と性病検査のどちらに行くべきですか?

高熱、強い喉の痛み、飲み込めない、息苦しい、口が開けにくいなどの症状がある場合は、まず耳鼻咽喉科や救急受診を検討してください。

まとめ|喉の症状が長引くときはクラミジア・淋菌も確認しましょう

扁桃腺の腫れや喉の痛みは、一般的な扁桃炎や風邪でも起こりますが、オーラルセックス後に症状が続く場合は、咽頭クラミジア・咽頭淋菌などの性感染症も原因として考えられます。特に、抗菌薬を飲んでも改善しない、パートナーが性病と診断された、喉の違和感が長引く場合は、症状だけで判断せず検査で確認することが大切です。不安がある方は、早めに咽頭の性病検査を検討しましょう。

東京・五反田で性病検査をご希望の方は、東京検査クリニック五反田院の性病検査・診療案内をご確認ください。

記事監修:島田航 泌尿器科専門医

2018年東京科学大学(旧東京医科歯科大学)医学部を卒業後、東京科学大学、JAとりで総合医療センター、土浦協同病院、神栖済生会病院にて泌尿器科を歴任。性感染症外来・泌尿器科外来に従事。

所属学会:日本泌尿器科学会/日本生殖医学会/日本泌尿器内視鏡ロボティクス学会/日本産業衛生学会

▪️参考文献

1)Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187.

2)Centers for Disease Control and Prevention. Chlamydial Infections – STI Treatment Guidelines. 2021.

3)Centers for Disease Control and Prevention. Gonococcal Infections Among Adolescents and Adults – STI Treatment Guidelines. 2021.

4)Barbee LA, Soge OO, Khosropour CM, et al. The Duration of Pharyngeal Gonorrhea: A Natural History Study. Clin Infect Dis. 2021;73(4):575-582.

5)Manavi K, Hettiarachchi N, Hodson J. Comparison of doxycycline with azithromycin in treatment of pharyngeal chlamydia infection. Int J STD AIDS. 2016;27(14):1303-1308.

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