男性の性器がただれる原因は性病?
ヘルペス・梅毒・亀頭包皮炎の症状と検査目安を医師が解説

男性器のただれは、性器ヘルペスや梅毒などの性感染症が原因で起こることがあります。特に、性行為のあとに赤み・びらん・水ぶくれ・しこり・痛みなどが出た場合は、自己判断せず検査で確認することが大切です。

一方で、男性器のただれは性病だけでなく、亀頭包皮炎、カンジダ、摩擦、かぶれ、洗いすぎ、下着による刺激などでも起こります。見た目だけで原因を判断するのは難しく、症状が似ていても必要な検査や治療が異なる場合があります。

この記事では、男性の性器がただれる主な原因、ヘルペス・梅毒・亀頭包皮炎の症状の違い、検査を受ける目安、治療の考え方について解説します。性器のただれが続く、痛みがある、性病が心配という方は、早めに医療機関で確認しましょう。

目次

男性器のただれは性病が原因のことも

男性の性器のただれは、性器ヘルペスや梅毒などの性感染症が原因で起こることがあります。特に、性行為のあとに赤み・びらん・水ぶくれ・しこり・痛みなどが出た場合は、見た目だけで判断せず、性病の可能性も考えて検査で確認することが大切です。

一方で、男性器のただれは性病だけでなく、亀頭包皮炎、カンジダ、摩擦、かぶれ、洗いすぎなどでも起こります。症状だけでは原因を断定しにくく、原因によって必要な検査や治療も異なるため、ただれが続く場合や性行為後に症状が出た場合は、早めに医療機関で相談しましょう。

男性器がただれる主な原因

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが性器や周囲の皮膚・粘膜に感染して起こる性感染症です。初感染では強い痛みを伴う水ぶくれや赤みが出やすく、水ぶくれが破れることで浅いただれや潰瘍になります。再発時は症状が軽いこともありますが、ピリピリした違和感や痛みのあとに小さなただれが出てきます。

梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって起こる性感染症です。感染初期には、性器にしこりや硬いできものができ、その表面が崩れてただれや潰瘍のように見えます。痛みが少ないことも多く、自然に治ったように見えても体内では感染が進行します。症状だけで判断せず、血液検査で確認することが重要です。

亀頭包皮炎

亀頭包皮炎は、亀頭や包皮に炎症が起こる状態です。細菌感染、汗や蒸れ、尿や精液の残り、洗浄不足などが原因となり、赤み・腫れ・痛み・かゆみを伴います。炎症が強くなると皮膚や粘膜の表面が傷つき、ただれたように見えることがあります。包皮の内側に汚れがたまりやすい方では繰り返すケースも珍しくありません。

カンジダ性亀頭包皮炎

カンジダ性亀頭包皮炎は、亀頭包皮炎の中でもカンジダという真菌が亀頭や包皮に増えることで起こる炎症です。性行為でうつることもありますが、糖尿病、免疫低下、抗菌薬の使用、蒸れなどをきっかけに発症することもあります。赤みやかゆみ、白いカスのような付着物がみられ、炎症が強いと皮膚がふやけたり、表面がむけてただれることがあります。

接触皮膚炎・かぶれ

接触皮膚炎は、コンドーム、潤滑剤、石けん、ボディソープ、消毒薬、下着の素材などが刺激やアレルギーとなって起こる皮膚炎です。性器の皮膚は薄く刺激に弱いため、赤み・かゆみ・ヒリヒリ感が出やすく、掻いたり刺激が続いたりすると皮膚表面が傷ついてただれたように見えることがあります。原因物質を避けることが大切です。

摩擦・外傷・洗いすぎ

性行為や自慰行為による摩擦、きつい下着、強くこする洗い方などでも、性器の皮膚や粘膜が傷ついてただれることがあります。特に亀頭や包皮の内側はデリケートなため、小さな傷でも赤みやヒリつきが出やすい部位です。また、清潔にしようとして洗いすぎると皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や炎症からただれに繋がります。

症状別に考えられる原因

一言で「ただれ」と言っても、痛みの有無・場所・かゆみの有無、しこりの有無・排尿症状の有無など、詳細を細かく分ける事が可能です。さらに細かく分かれた症状から疑わしい原因を探っていく事が重要です。

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症状考えられる主な原因ポイント
水ぶくれがある性器ヘルペス破れるとただれ・潰瘍に見える
痛みが強い性器ヘルペス、亀頭包皮炎、外傷排尿時にしみることもある
痛みが少ないしこり・潰瘍梅毒自然に消えても感染は続く
赤み・皮むけ・ヒリヒリ亀頭包皮炎、かぶれ、洗いすぎ非性病でも起こる
白いカス・かゆみカンジダ性亀頭包皮炎蒸れや包茎で起こりやすい
膿・尿道痛を伴うクラミジア、淋菌など尿道炎の検査も検討

部位別にみる男性器のただれ

部位原因
亀頭性器ヘルペス、梅毒、亀頭包皮炎、カンジダ性亀頭包皮炎、摩擦、洗いすぎ
包皮の内側亀頭包皮炎、接触皮膚炎、洗いすぎによる刺激、尿・精液・恥垢の残存、湿気のこもり
陰茎の皮膚性器ヘルペス、梅毒、接触皮膚炎、摩擦・外傷、毛嚢炎、コンドーム・潤滑剤・石けんによるかぶれ
陰嚢・股の皮膚いんきんたむし、接触皮膚炎、湿疹、摩擦、カンジダ、細菌感染、汗・蒸れ、掻き壊し

亀頭がただれる場合

亀頭は粘膜に近く刺激に弱いため、ただれが出やすい部位です。代表的な原因は、性器ヘルペス、梅毒、亀頭包皮炎、カンジダ性亀頭包皮炎、摩擦や洗いすぎです。水ぶくれが破れて痛いただれになる場合はヘルペス、痛みの少ない硬いしこりや潰瘍では梅毒も考えます。赤み・かゆみ・白いカスを伴う場合はカンジダや包皮炎が疑われます。

包皮の内側がただれる場合

包皮の内側は湿気がこもりやすく、尿・精液・恥垢などが残りやすいため、炎症や感染が起こりやすい部位です。代表的には、細菌性の亀頭包皮炎、カンジダ性亀頭包皮炎、接触皮膚炎、洗いすぎによる刺激が原因になります。赤みや腫れ、かゆみ、ヒリヒリ感、白い付着物を伴うことが多く、包茎傾向がある方では繰り返しやすい特徴があります。

陰茎の皮膚がただれる場合

陰茎の皮膚がただれる場合は、性器ヘルペス、梅毒、接触皮膚炎、摩擦・外傷、毛嚢炎などが原因として考えられます。性行為後に痛みを伴う水ぶくれや浅い潰瘍が出た場合はヘルペス、痛みが少ないしこりや潰瘍では梅毒の確認が必要です。コンドームや潤滑剤、石けんなどによるかぶれ、自慰行為や性交時の摩擦で皮膚が傷つくこともあります。

陰嚢・股の皮膚がただれる場合

陰嚢や股は汗や蒸れ、下着との摩擦が起こりやすく、ただれや赤みが出やすい部位です。代表的な原因は、いんきんたむし、接触皮膚炎、湿疹、摩擦、カンジダ、細菌感染です。強いかゆみや輪状に広がる赤みがある場合はいんきんたむし、ジュクジュクした赤みでは湿疹やかぶれも考えます。陰毛部や皮膚に小さな傷があると、掻き壊しからただれが悪化することもあります。

性病によるただれを疑うケース

以下の場合では、性病によって起きる陰部のただれを疑います。出てくる症状と合わせて確認しましょう。

  • 性行為後に水ぶくれ・ただれが出た
  • 痛みのある水ぶくれが破れてただれた
  • 痛みが少ないしこり・潰瘍がある
  • パートナーが性感染症と診断された
  • ただれに加えて排尿痛・尿道分泌物がある

当院での男性器のただれに関する相談例

相談例01|性器ヘルペス
20代男性

数日前から陰部にピリピリした違和感があり、その後、亀頭や包皮の周囲に小さな水ぶくれが複数出てきたとのことで来院されたケースです。水ぶくれの一部は破れて浅いただれになっており、下着が触れるだけでも痛みがある状態でした。発熱や倦怠感はありませんでしたが、性行為後から症状が出たため性感染症を心配して受診されました。

診察では、痛みを伴う小さな水ぶくれとただれが複数みられ、性器ヘルペスが疑われました。性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによって起こり、水ぶくれが破れることでただれや潰瘍のように見えることがあります。再発することもあるため、抗ウイルス薬による治療に加えて、症状がある間は性行為を控えること、再発時の早期受診が大切であることを説明しました。

相談例02|梅毒・クラミジア同時感染
30代男性

性行為後しばらくしてから、陰茎に痛みの少ないしこりのようなできものができ、その表面がただれたようになったとのことで来院されたケースです。強い痛みはありませんでしたが、同時に軽い排尿時の違和感もあり、性感染症の可能性を心配されていました。症状が軽いため様子を見ていたものの、なかなか改善しないため受診されました。

診察では、痛みが少ない潰瘍様の病変があり、梅毒を疑って血液検査を行いました。また、排尿時の違和感があったため、クラミジア・淋菌などの尿検査もあわせて実施しました。結果として、梅毒に加えてクラミジア感染も確認されました。梅毒は痛みが少ないただれとして現れることがあり、クラミジアは無症状または軽い違和感だけのこともあります。

男性器のただれで受けたい検査

男性器のただれは、見た目だけで原因を判断することが難しい症状です。性器ヘルペスのように痛みを伴うただれもあれば、梅毒のように痛みが少ない潰瘍として出ることもあります。

また、クラミジア・淋菌などの尿道炎、カンジダ性亀頭包皮炎、細菌性亀頭包皮炎が背景にあるケースもあります。

検査項目調べる病気検査方法
性器ヘルペス性器ヘルペス抗原迅速・視診
梅毒梅毒採血:TP抗体・RPR
クラミジア・淋菌尿道炎・咽頭感染など尿・ぬぐい・咽頭検査
カンジダカンジダ性亀頭包皮炎視診・ぬぐい検査
一般細菌検査細菌性亀頭包皮炎視診・ぬぐい検査

原因を検査した方がいい理由

病原体は細菌・ウイルス・真菌など様々です。

治療薬がそれぞれ、

  • 性器ヘルペス:抗ウイルス薬
  • 梅毒:抗菌薬
  • クラミジア:抗菌薬(マクロライド系・テトラサイクリン系)
  • 淋菌:抗菌薬(セフェム系)
  • カンジダ:抗真菌薬
  • 一般細菌:抗菌薬(状況に応じて)

と異なります。

検査によって原因を判別することで自身に1番合う薬剤を選択していくことが可能となるためです。

男性器のただれはいつ検査すべき?

症状がある場合は早めに検査を検討

男性器にただれ、水ぶくれ、しこり、赤み、痛み、かゆみなどがある場合は、早めに検査を検討しましょう。ヘルペスや梅毒、亀頭包皮炎などは見た目だけで判断が難しく、放置すると悪化したり感染を広げてしまう可能性があります。

淋菌・クラミジアは性行為から数日経過が望ましい

淋菌・クラミジアは具体的には24時間以内では検査で陰性になることがありますが、数日経過すれば確認できるようになります。24時間以内だと偽陰性となる可能性があります。

梅毒は感染初期に陰性になることがある

梅毒は、感染して直後の時期には血液検査で陰性になります。痛みの少ないしこりやただれがあっても、初回検査だけで完全に否定できない場合があります。不安な行為からの期間によっては、再検査を含めて確認することが重要です。

感染していたとしても抗体が血中で検出出来る量でない期間のことを「window period」と呼びます。

パートナーが陽性の場合は症状がなくても検査

パートナーがクラミジア、淋菌、梅毒、ヘルペスなどの性感染症と診断された場合は、自分に症状がなくても検査を受けましょう。性感染症は無症状のまま感染していることも多く、放置すると再感染やパートナー間での感染の繰り返しにつながります。

男性器がただれたときの注意点

ただれの症状が出てきた時は、検査や治療に進む前の自己管理も大切です。

以下のような行為は状態を悪化させる可能性がありますので控えるようにしましょう。

  • 自己判断で市販薬を塗り続ける
  • 強く洗う・消毒する
  • 症状があるまま性行為を続ける
  • 病変をつぶす・かさぶたをはがす
  • 陰性結果だけで原因を決めつける

ただれている部分は皮膚バリアが弱く感染しやすい状態と言えます。素手で触ると、皮膚の細菌などから二次的に感染する可能性もありますので控えましょう。

男性器のただれに関するよくある質問

男性器のただれは性病ですか?

男性器のただれは、性器ヘルペスや梅毒などの性病で起こることがあります。一方で、亀頭包皮炎、カンジダ、かぶれ、摩擦、洗いすぎなど性病以外が原因のこともあります。見た目だけでは判断が難しいため、性行為後に出たただれは検査を検討しましょう。

痛みがあるただれは何が考えられますか?

痛みを伴う水ぶくれやただれでは、性器ヘルペスが代表的です。小さな水ぶくれが破れて、赤く浅い傷や潰瘍のように見えることがあります。ほかにも摩擦による傷、細菌感染、強い炎症を伴う亀頭包皮炎などでも痛みが出ることがあります。

痛みが少ないただれでも検査は必要ですか?

痛みが少ないしこりや潰瘍では、梅毒の初期症状の可能性があります。梅毒の初期病変は痛みが目立たず、自然に治ったように見えることもありますが、感染が消えたとは限りません。痛みが少ないから大丈夫と判断せず、血液検査で確認することが大切です。

ただれがあっても自然に治りますか?

摩擦や軽いかぶれであれば、刺激を避けることで改善することもあります。ただし、ヘルペスや梅毒、亀頭包皮炎、カンジダなどでは治療が必要な場合があります。

亀頭や包皮が赤くただれるのは亀頭包皮炎ですか?

亀頭や包皮の赤み、腫れ、かゆみ、痛み、白いカス、におい、包皮の内側の分泌物などがある場合は、亀頭包皮炎が考えられます。原因は細菌、カンジダ、蒸れ、洗いすぎ、刺激などさまざまです。

市販薬を塗って様子を見てもよいですか?

自己判断で市販薬を塗り続けるのはおすすめできません。ステロイド外用薬で感染が悪化したり、抗真菌薬や抗菌薬が原因に合わず改善しなかったりすることがあります。数日で改善しない、痛みが強い、水ぶくれや潰瘍がある、性病が心配な場合は医療機関で確認しましょう。

ただれがあるとき性行為はしてもよいですか?

ただれ、水ぶくれ、潰瘍、分泌物、排尿痛などがある間は、性行為を控えることが望ましいです。性器ヘルペス、梅毒、クラミジア、淋菌などが関係している場合、パートナーへ感染を広げる可能性があります。

どの検査を受ければよいですか?

ただれがある場合は、症状に応じて梅毒の血液検査、ヘルペス検査、クラミジア・淋菌の尿検査などを検討します。性器潰瘍は診察だけでは原因を断定しにくく、梅毒やヘルペスの評価が重要です。排尿痛や尿道分泌物がある場合は、尿道炎の検査もあわせて行います。

まとめ|男性器のただれはヘルペス・梅毒・亀頭包皮炎などを検査で確認しましょう

男性器のただれは、性器ヘルペスや梅毒などの性感染症だけでなく、亀頭包皮炎、カンジダ、かぶれ、摩擦、洗いすぎなどでも起こります。見た目だけで原因を判断するのは難しく、症状が軽くても感染が隠れていることがあります。性行為後に水ぶくれ・しこり・潰瘍・排尿痛・分泌物がある場合は、早めに検査で確認しましょう。

東京・五反田で性病検査をご希望の方は、東京検査クリニック五反田院の性病検査・診療案内をご確認ください。

記事監修:島田航 泌尿器科専門医

2018年東京科学大学(旧東京医科歯科大学)医学部を卒業後、東京科学大学、JAとりで総合医療センター、土浦協同病院、神栖済生会病院にて泌尿器科を歴任。性感染症外来・泌尿器科外来に従事。

所属学会:日本泌尿器科学会/日本生殖医学会/日本泌尿器内視鏡ロボティクス学会/日本産業衛生学会

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