ワンナイトで性病に感染する確率は?
1回の性行為のリスクと検査時期を解説


ワンナイトなどの一度きりの性行為でも、クラミジアや淋菌、梅毒、HIVなどの性感染症に感染する可能性があります。感染リスクは性病の種類や性行為の内容によって異なり、症状がなくても感染している場合があります。

この記事では、1回の性行為で性病に感染する確率やリスクの高い行為、性病検査を受ける適切なタイミングについて、医学的根拠をもとにわかりやすく解説します。

この記事のまとめ
  • ワンナイトなど1回だけの性行為でも性感染症に感染する可能性がある。
  • 感染確率は病原体や性行為の種類、相手の感染状況によって異なる。
  • コンドームは感染リスクを減らすが、全ての性感染症を防げるわけではない。
  • 症状がなくても感染している場合があるため、適切な時期に検査することが重要。
目次

ワンナイトでも性病に感染するのか

ワンナイトなど、1回だけの性行為でも性感染症(性病)に感染する可能性があります。 性感染症は性行為の回数に関係なく、感染している相手との性的接触によって感染することがあるためです。

クラミジアや淋菌、梅毒、HIV、性器ヘルペスなどは、いずれも1回の性行為で感染する可能性がある性感染症です。ただし、実際に感染する確率は、病原体の種類や性行為の内容、コンドームの使用状況、相手の感染状況などによって大きく異なります。

例えば、コンドームを使用しない膣性交やアナルセックスでは、精液や腟分泌液、粘膜などを介して感染する可能性があります。また、オーラルセックスでもクラミジアや淋菌、梅毒などに感染することがあります。

性行為をしたからといって、必ず性感染症に感染するわけではありません。 感染が成立するには、基本的に相手が該当する病原体に感染していることなどの条件が必要です。さらに、性感染症の中には感染しても自覚症状が現れないものがあります。ワンナイトの相手に症状がなかった場合や、自分自身に排尿痛・かゆみなどの症状がない場合でも、感染していないとは判断できません。

ワンナイトでの性病への感染確率

ワンナイトなど、1回だけの性行為で性感染症に感染する確率は、病原体の種類や性行為の内容によって異なります。

クラミジアや淋菌、HIVなどでは、感染者との性行為による感染確率を推定した研究が報告されています。 ただし、これらは特定の条件下での推定値であり、すべてのワンナイトに当てはまる数字ではありません。また、相手が感染しているかどうかによって実際のリスクは大きく変わるため、感染確率の数字だけで検査の必要性を判断することはできません。

クラミジア・淋菌の1回あたりの感染リスク

クラミジアと淋菌は、いずれも性行為によって感染する代表的な細菌性の性感染症です。

クラミジアについて、英国の研究では、感染者との性行為1回あたりの感染確率を推定する数理モデルにおいて、中央値9.5%(四分位範囲6.0〜16.7%)という結果が報告されています。また、淋菌については、過去の研究を引用した医学論文で、男性から女性への感染確率が約50%、女性から男性への感染確率が約20%と紹介されています。

感染症1回あたりの感染確率の推定値
クラミジア約9.5%(数理モデルによる推定)
淋菌(男性→女性)約50%
淋菌(女性→男性)約20%

※クラミジアの数値はモデルによる推定、淋菌の数値は過去の研究に基づく概算であり、個人の感染確率を正確に示すものではありません。

HIVの1回あたりの感染確率

HIVについては、米国疾病予防管理センター(CDC)が、性行為1回あたりの感染確率を公表しています。

性行為の種類1回あたりのHIV感染確率
アナルセックス
(受ける側)
1.38%
アナルセックス
(挿入する側)
0.11%
膣性交(女性側)0.08%
膣性交(男性側)0.04%

※コンドーム、PrEP、抗HIV療法による予防効果がない条件でのリスクを示しており、実際の感染確率は状況によって異なります。

このデータでは、受ける側のアナルセックスで感染リスクが最も高く、膣性交では男性側・女性側ともに1回あたりの推定感染確率は0.1%未満となっています。ただし、感染確率が低いことと、感染しないことは同じではありません。

また、相手のHIVウイルス量や他の性感染症の有無によってもリスクは変化します。HIV感染者でも、適切な治療によってウイルス量が持続的に検出限界未満に抑えられていれば、性行為によってHIVを感染させることはありません(U=U)。なお、HIV感染の可能性が高い性行為から72時間以内の場合は、曝露後予防内服(PEP)を検討できるため、速やかに医療機関へ相談することが重要です。

梅毒・性器ヘルペス・HPVの感染リスク

梅毒、性器ヘルペス、HPVも、1回だけの性行為で感染する可能性があります。

これらは感染している皮膚や粘膜との直接的な接触によって感染するため、コンドームを使用していても、覆われていない部分から感染する可能性があります。

性器ヘルペスについては、HSV-2感染者と非感染者のカップル911組を対象とした研究で、コンドームを使用しない性行為1回あたりの感染率が、男性から女性で約2.85%、女性から男性で約0.17%と推定されています。

また、HPVについては、感染状況が異なるカップルを追跡した研究で、6か月間の感染確率が約20%と推定されました。ただし、これは複数回の性的接触を含む期間全体での感染確率であり、1回あたりの感染確率ではありません。

感染症研究で報告された感染リスク
梅毒1回あたりの信頼できる一律の感染確率は不明
性器ヘルペス(HSV-2)※男性→女性 約2.85%/回
女性→男性 約0.17%/回
HPV約20%/6か月間
(カップル単位)

※HSV-2感染状況に特徴のある特定のカップル集団での推定値

ワンナイトで感染リスクが高まる行為

コンドームなしでの膣性交・アナルセックス

コンドームを使用しない膣性交やアナルセックスは、性感染症の感染リスクを高める行為です。 クラミジアや淋菌、HIVなどは、感染している相手との性行為によって感染する可能性があります。特にアナルセックスでは、直腸粘膜が傷つきやすく、HIVの感染リスクが膣性交より高いことが知られています。また、射精の有無にかかわらず感染する可能性があるため、膣内・直腸内で射精していなければ安全というわけではありません。

オーラルセックスでも性病に感染する

オーラルセックス(口を使った性行為)でも、クラミジアや淋菌、梅毒、性器ヘルペスなどに感染する可能性があります。 特に淋菌は咽頭(のど)に感染することがあり、感染していても自覚症状がほとんどない場合があります。また、性器の検査が陰性であっても、咽頭では陽性となることがあるため注意が必要です。オーラルセックスを行った場合には、性器だけでなく咽頭の検査も検討することが重要です。

コンドームを使用しても感染リスクはゼロではない

コンドームの使用は性感染症の予防に有効ですが、すべての感染を完全に防げるわけではありません。 クラミジアや淋菌、HIVなどの感染リスクを低減できる一方、梅毒や性器ヘルペス、HPVなどは、コンドームで覆われていない皮膚や粘膜との接触によって感染する場合があります。また、性行為の途中から装着した場合や、破損・脱落があった場合にも感染リスクが残ります。そのため、コンドームを使用していても、感染が心配な場合には適切な時期に検査を受けることが大切です。

性病検査はいつ受けるべきか

ワンナイト後に性感染症が心配な場合、検査を受ける時期は感染症の種類によって異なります。感染直後は、実際に感染していても検査で検出できないことがあるためです。

<主な性感染症の検査時期の目安>

検査項目検査を受ける時期の目安
クラミジア24時間以降検査可
1週間以降が望ましい
淋菌24時間以降検査可
1週間以降が望ましい
梅毒6~8週間以降
HIV
(第4世代・精密検査)
18〜45日以降
HIV
(第4世代・迅速検査)
18〜90日以降

検査が早すぎると感染を拾えない

性感染症には、感染してから検査で検出できるようになるまでの「ウインドウ期」があります。性行為の翌日など、感染機会から間もない時期に陰性だったとしても、その性行為による感染を否定することはできません。 検査時期が早すぎた場合は、感染症の種類や検査方法に応じて再検査を行うことが大切です。ただし、症状がある場合や相手の感染が判明している場合は、適切な検査時期を待たずに医療機関へ相談してください。

ワンナイト後に受けておきたい性病検査

ワンナイト後に性感染症が心配な場合は、性行為の内容や感染機会からの経過日数に応じて、適切な検査を受けることが重要です。クラミジアや淋菌は性器だけでなく咽頭(のど)にも感染する可能性があり、HIVや梅毒などは血液検査で調べます。

<主な検査項目と検査方法>

スクロールできます
検査項目主な検体検査を検討するケース
性器クラミジア・淋菌男性:尿
女性:腟ぬぐい液
膣性交など、性器への感染機会があった場合
咽頭クラミジア・淋菌うがい液オーラルセックスで口やのどへの感染機会があった場合
HIV血液コンドームなしの膣性交・アナルセックスなど
梅毒血液性器・口腔などの粘膜や皮膚への性的接触があった場合
B型肝炎血液ワクチン接種歴や免疫の有無、性交渉の内容に応じて検討

※アナルセックスで直腸への感染機会があった場合は、直腸の検査も検討

東京検査クリニックの即日迅速検査

淋菌の迅速検査を可能にするGeneXpert®︎
検体は専門スタッフが丁寧に取り扱い

当院では、クラミジア・淋菌の検査に迅速PCR検査機器(GeneXpert®︎システム)を導入しています。尿や分泌物などの検体から病原体の遺伝子を検出する検査で、一般的な外注検査よりも短時間で結果を確認しやすい点が特徴です。当院の場合は、90分程度で淋菌・クラミジア(性器・咽頭)の検査結果をお伝えする事が出来ます。

GeneXpert®︎の検査精度

国内相関性試験では、既承認検査との比較でクラミジアは総一致率97.9〜98.5%、淋菌は99.1%と、高い一致率が確認されています。

<既承認品との相関性試験成績>

検査対象陽性一致率陰性一致率
クラミジア98.3〜99.4%97.4〜97.5%
淋菌98.1〜100%98.9〜99.3%

引用:GeneXpert®︎「CT/NG」- ベックマン・コール

まとめ|ワンナイト後は適切な時期に性病検査を

ワンナイト後は、症状がなくても性感染症に感染している可能性があります。クラミジアや淋菌、梅毒、HIVなどは無症状で経過することもあるため、不安な性行為があった場合は検査を検討しましょう。ただし、感染直後は検査で正しく判定できないことがあり、性感染症の種類によって適切な検査時期は異なります。早すぎる検査で陰性だった場合も、必要に応じて再検査が重要です。不安な方は医療機関に相談し、適切な時期に検査を受けましょう。

東京・五反田で性病検査をご希望の方は、東京検査クリニック五反田院の性病検査・診療案内をご確認ください。

記事監修:島田航 泌尿器科専門医

2018年東京科学大学(旧東京医科歯科大学)医学部を卒業後、東京科学大学、JAとりで総合医療センター、土浦協同病院、神栖済生会病院にて泌尿器科を歴任。性感染症外来・泌尿器科外来に従事。

所属学会:日本泌尿器科学会/日本生殖医学会/日本泌尿器内視鏡ロボティクス学会/日本産業衛生学会

▪️参考文献

1)Lewis J, et al. Per-partnership transmission probabilities for Chlamydia trachomatis infection: evidence synthesis of population-based survey data. International Journal of Epidemiology. 2021;50(2):510–522.

2)Patel P, et al. Estimating per-act HIV transmission risk: a systematic review. AIDS. 2014;28(10):1509–1519.

3)Delaney KP, et al. Time Until Emergence of HIV Test Reactivity Following Infection With HIV-1: Implications for Interpreting Test Results and Retesting After Exposure. Clinical Infectious Diseases. 2017;64(1):53–59.

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