症状がなくても性感染症検査が必要な理由|
無症状感染と定期検査の考え方

性感染症というと、「痛みやかゆみ、分泌物などの症状が出てから検査を受けるもの」というイメージを持つ方も少なくありません。しかし、クラミジアや淋菌、梅毒、HIVなどの性感染症は、感染していても自覚症状がほとんど現れないことがあります。そのため、「症状がない=感染していない」とは限りません。

無症状のまま感染に気づかずにいると、パートナーへ感染を広げたり、感染症によっては将来的な合併症につながったりする可能性があります。また、一度症状が出ても自然に軽快し、治ったように見えているだけというケースもあります。

この記事では、なぜ症状がなくても性感染症検査を検討する必要があるのかをはじめ、無症状になりやすい性感染症、検査を受けるタイミング、検査頻度、保険適用の考え方までわかりやすく解説します。

目次

症状がなくても
性感染症検査は必要?

結論として、症状がなくても性感染症検査を検討することは大切です。 性感染症の中には、感染していても自覚症状がほとんど現れないものがあります。特にクラミジアや淋菌などは無症状で経過するケースもあり、本人が感染に気づかないまま日常生活を送っていることも珍しくありません。

そのため、「痛みやかゆみ、分泌物などの症状がない=性感染症に感染していない」とは限りません。 自覚症状だけで感染の有無を判断することは難しく、不安な性行為があった場合や、新しいパートナーとの性行為、コンドームを使用しない性行為などがあった場合には、症状の有無にかかわらず検査を検討することが重要です。

また、無症状のまま感染に気づかない状態が続くと、知らないうちにパートナーへ感染させてしまう可能性があります。 自分自身の健康を守るだけでなく、パートナーへの感染を防ぐという意味でも、感染リスクのある機会があった場合には適切なタイミングで検査を受け、必要に応じて定期的に確認することが大切です。

無症状でも注意が必要な
主な性感染症

性感染症無症状のことはある?症状が出る場合の例ポイント
クラミジア多い排尿時痛、おりもの、下腹部痛など特に女性では症状に気づきにくい
淋菌あり排尿時痛、膿性分泌物、おりものなど女性や咽頭・直腸感染では無症状のことが多い
梅毒ありしこり、潰瘍、発疹など症状が自然に消えて無症状の時期に入ることがある
HIVあり発熱、咽頭痛、リンパ節腫脹など初期症状が出ない、または風邪と区別しにくいことがある

クラミジア

クラミジアは、感染していても自覚症状が現れないことが多い性感染症の一つです。男性では排尿時の痛みや尿道からの分泌物、女性ではおりものの増加や不正出血、下腹部痛などがみられることがありますが、症状が軽く、感染に気づかないまま経過するケースもあります。

症状がない状態でも感染が続いていることがあり、パートナーへ感染させる可能性があります。また、女性では感染が子宮や卵管へ広がると骨盤内炎症性疾患などにつながることもあるため、症状の有無だけで感染を判断することはできません。感染機会があった場合には、適切な時期に検査を受けることが大切です。

淋菌

淋菌感染症は、男性の尿道に感染した場合には強い排尿時痛や膿のような分泌物など、比較的はっきりした症状が出ることがあります。一方、女性では症状が軽いことも多く、おりものの変化や軽い下腹部痛だけで、感染していることに気づかない場合があります。

また、淋菌は性器だけでなく、咽頭や直腸にも感染します。特に咽頭淋菌や直腸淋菌では自覚症状がないこともあり、症状だけでは感染の有無を判断しにくいのが特徴です。コンドームを使用しない性行為やオーラルセックスなど感染機会があった場合には、症状がなくても検査を検討することがあります。

男性でも自覚症状に乏しいケースもありますので注意が必要です。

梅毒

梅毒は、感染後に性器や口などにしこりや潰瘍ができたり、全身に発疹が現れたりすることがあります。ただし、こうした症状は治療をしなくても一時的に自然に消えることがあり、「治った」と思ってしまうケースがあります。

症状が消えた後も梅毒トレポネーマが体内からなくなったとは限らず、無症状の潜伏期に移行します。そのため、過去に気になる皮膚症状があった場合や、梅毒に感染した可能性のある相手との性行為があった場合には、現在症状がなくても血液検査で確認することが重要です。

HIV

HIVに感染した場合、感染から数週間程度で発熱、咽頭痛、倦怠感、リンパ節の腫れなどの症状が現れることがあります。しかし、まったく症状が出ない人もいるほか、症状が出ても風邪やインフルエンザなどと似ているため、症状だけでHIV感染を判断することはできません。

その後は長期間にわたり自覚症状がほとんどない状態が続きます。HIVは症状の有無ではなく、血液検査によって確認する感染症です。感染が心配な行為があった場合には、「体調に変化がないから大丈夫」と判断せず、感染機会からの期間に応じて適切な検査を受けることが大切です。

咽頭・直腸の性感染症は特に症状に気づきにくい

クラミジアや淋菌などは、性器だけでなく咽頭や直腸にも感染します。咽頭に感染しても喉の痛みや違和感がまったくないことがあり、症状があったとしても一般的な咽頭炎や風邪との区別が難しい場合があります。

直腸感染についても、肛門の痛みや分泌物などがみられることがある一方、無症状のまま感染していることがあります。そのため、オーラルセックスやアナルセックスなど感染部位となり得る行為があった場合には、尿や膣の検査だけではなく、行為に応じて咽頭・直腸の検査も検討することが重要です。

無症状の性感染症を
放置するとどうなる?

パートナーへ感染を広げる可能性

性感染症は、症状がなくても体内に病原体が存在しているケースがあり、その状態でも性行為を通じてパートナーへ感染させる可能性があります。自覚症状がないと感染に気づきにくく、普段通りに性行為を続けることで、知らないうちに感染を広げてしまうことがあります。

また、パートナー側も無症状であれば感染に気づかず、さらに別の相手へ感染が広がることもあります。そのため、症状の有無だけで判断せず、感染機会があった場合には適切な時期に検査を受けることが重要です。

不妊や精巣上体炎・骨盤内炎症性疾患につながる

クラミジアや淋菌などを治療せずに放置すると、感染が性器周辺から奥へ広がり、合併症を起こす可能性があります。男性では精巣上体まで炎症が及び、陰嚢の痛みや腫れを伴う精巣上体炎につながることがあります。女性では感染が上行すると子宮頸管炎を引き起こします。さらに子宮や卵管へ感染が広がることで骨盤内炎症性疾患を起こし、卵管の癒着や閉塞を生じると、不妊や子宮外妊娠のリスクにつながる可能性があります。無症状でも感染が進行することがあるため、早期発見・早期治療が大切です。

男性:精巣上体の位置
女性:子宮頸管の位置

症状が消えても感染が治ったとは限らない

性感染症では、一度現れた症状が自然に軽くなったり、完全に消えたりすることがあります。しかし、症状がなくなったことと、原因となる病原体が体内からいなくなったことは同じではありません。たとえば梅毒では、初期にみられるしこりや潰瘍などが自然に消え、その後しばらく無症状となります。また、クラミジアなどでも症状が軽快して感染に気づかないことがあります。症状だけで治癒を判断せず、感染が疑われる場合には検査で確認することが重要です。

こんな人は症状がなくても
性病検査を検討

性感染症は、感染していても自覚症状がほとんど現れないことがあります。そのため、「痛みやかゆみがない」「おりものや分泌物に変化がない」といった理由だけで、感染していないと判断することはできません。

特に、感染する可能性のある性行為があった場合や、パートナーの感染状況が分からない場合には、症状がなくても検査を検討することが大切です。

以下に当てはまる方は、一度性感染症検査を検討してみましょう。

  • コンドームを使用しない性行為があった
  • 新しいパートナーと性行為をした
  • 複数のパートナーがいる
  • パートナーが性感染症と診断された
  • 風俗を利用した・性風俗業に従事している
  • オーラルセックス・アナルセックスをした
  • 相手の感染状況が分からず不安がある

上記に当てはまるからといって、必ず性感染症に感染しているわけではありません。ただし、性感染症は症状だけでは判断できないことがあるため、不安な性行為があった場合には検査で確認することが確実です。

また、性感染症によって適切な検査時期や検査する部位が異なります。性器だけでなく、オーラルセックスでは咽頭、アナルセックスでは直腸への感染も考えられるため、行為内容に応じた検査を選ぶことが重要です。

性病検査はいつ受ければいい?

感染機会から検査可能になるまでには期間がある

性感染症は、感染した直後からすべての検査で正確に判定できるわけではありません。感染してから病原体が十分に増えたり、抗原や抗体が検査で検出できる量になるまでには一定の期間が必要です。そのため、感染機会の直後に検査を受けても正しい結果が得られないことがあります。気になる性行為があった場合は、感染症ごとの検査可能時期を確認して受けることが大切です。

検査が可能になるまでの期間をwindow periodと呼びます。

早すぎる検査では陰性になることがある

感染機会から十分な時間が経っていない段階で検査を受けると、実際には感染していても「陰性」と判定されることがあります。これは、検査時点で病原体や抗原・抗体の量が検出限界に達していないためです。早期検査が参考になる場合もありますが、陰性結果だけで感染を完全に否定できないことがあります。不安が続く場合には、適切な時期を待って再検査することが重要です。

性感染症ごとに適切な検査時期は異なる

性感染症は、病原体の種類や検査方法によって、適切な検査時期が異なります。クラミジアや淋菌のように病原体そのものを調べる検査と、梅毒やHIVのように血液中の抗体・抗原などを調べる検査では、検出できるようになるまでの期間が異なります。そのため、すべての性感染症を同じタイミングで検査すればよいとは限りません。感染機会からの経過日数に合わせて検査項目を選ぶことが大切です。

性病検査はどのくらいの頻度で
受けるべき?

性行為の頻度やパートナー数から検査頻度を考える

性感染症検査の頻度は、すべての人が一律に決めるものではなく、性行為の頻度やパートナー数、コンドームの使用状況などによって考える必要があります。性行為の機会が多い方や、複数のパートナーがいる方では、感染機会も増えるため、症状がなくても定期的な検査が役立ちます。自分の行動や感染リスクを振り返り、無理のない範囲で検査のタイミングを決めることが大切です。

リスクが継続する場合は定期検査を検討する

コンドームを使用しない性行為が続いている場合や、複数のパートナーとの性行為が継続している場合などは、一度の検査だけでなく定期的な検査を検討することがあります。検査で陰性だったとしても、その後に新たな感染機会があれば感染する可能性はあります。数か月ごとなど一定の間隔で検査することで、無症状の感染にも気づきやすくなり、早期発見・早期治療につながります。

パートナーが変わったタイミングでの検査も選択肢

新しいパートナーとの関係が始まったときは、性感染症検査を受けるタイミングの一つです。お互いに症状がなくても感染している可能性はあるため、見た目や体調だけでは感染の有無を判断できません。新しいパートナーとの性行為の前後や、コンドームを使用しない関係を考えている場合には、双方が検査を受けて感染状況を確認しておくことも、健康管理の方法の一つです。

無症状の性病検査は保険適用になる?

無症状で希望する検査は原則として自費診療

自覚症状がなく、「感染していないか確認したい」という目的で受ける性感染症検査は、原則として健康保険の適用外となり、自費診療になります。健康診断やスクリーニングに近い位置づけとなるためです。費用や検査項目は医療機関によって異なるため、事前に確認すると安心です。

症状がある場合は保険診療の対象になることがある

排尿時痛、尿道からの分泌物、おりものの変化、性器の痛み・かゆみ・できものなどの症状があり、医師が診察のうえ性感染症を疑って検査が必要と判断した場合には、健康保険が適用されることがあります。保険適用の可否は、症状や診察内容、実施する検査によって異なります。

保健所では匿名・無料で受けられる検査もある

自治体や保健所では、HIVや梅毒などの性感染症検査を匿名・無料で実施している場合があります。健康保険証を使わずに受けられる点も特徴です。ただし、対象となる感染症、実施日時、予約の必要性、検査方法などは自治体によって異なるため、利用前に各保健所の案内を確認しましょう。

東京検査クリニックでは
無症状でも性病検査が可能

東京検査クリニック五反田院では、症状がない方の性感染症検査にも対応しています。性感染症は自覚症状がなくても感染していることがあるため、「特に症状はないけれど一度確認しておきたい」「新しいパートナーができた」「感染機会があり不安が残っている」といった場合にも検査をご検討いただけます。クラミジア・淋菌・梅毒・HIVをはじめ、さまざまな性感染症の検査に対応しており、検査結果はWeb上で確認できます。

五反田駅からアクセスしやすく、平日は21時まで、土日も診療しています。仕事帰りや休日にも受診しやすく、検査で陽性となった場合には、対応可能な性感染症についてそのまま治療へ移行することも可能です。「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、感染が気になるタイミングで検査によって確認することが大切です。

検査から治療までの特徴

STEP
来院予約(Web予約可能)

Web予約は24時間受付中です

STEP
事前問診

詳しい症状(いつから・症状の程度・他の症状)を記載下さい

STEP
検体採取

専門スタッフが丁寧に説明いたします

STEP
結果はWeb確認

再来院は不要で検査結果はご自身のスマホから確認できます

STEP
治療

診断や症状に応じて治療を行います

検査料金・プラン

検査料金・プラン
クラミジア・淋菌チェック7,400
クラミジア・淋菌
チェック【迅速】
14,000
血液チェック8,400
性病予防薬/回1,500~
ベーシックチェック12,800
スタンダードチェック21,800

当院は自由診療のクリニックであり、保険証の提示が不要で匿名での検査が可能です。また、診察料(初診料・再診料)は無料ですので、悩みだけでもまずはご相談ください。

症状がない場合でも性感染症に感染しているケースは往々にしてあります。もし不安な性行為や接触があった場合は、検査で確認しておくと安心です。

無症状の性病検査について
よくある質問

症状がなくても性感染症に感染していることはありますか?

はい。クラミジアや淋菌、HIV、梅毒などは、感染していても自覚症状がほとんどないことがあります。症状がないだけでは感染を否定できないため、感染機会があった場合には検査で確認することが大切です。

症状がない場合でも性病検査を受けたほうがいいですか?

コンドームを使用しない性行為があった、新しいパートナーができた、複数のパートナーがいる、相手の感染状況が分からないなどの場合には、症状がなくても検査を検討できます。感染リスクは症状の有無だけでは判断できません。

性行為の翌日に検査を受けても分かりますか?

性感染症には、感染してから検査で検出できるようになるまでの「ウインドウピリオド」があります。そのため、性行為の直後では感染していても陰性になることがあります。適切な検査時期は感染症や検査方法によって異なります。

一度検査で陰性なら、その後は検査しなくても大丈夫ですか?

検査後に新たな感染機会がなければ、その時点での結果は参考になります。ただし、その後に性行為があれば新たに感染する可能性があります。また、検査時期が早すぎた場合には再検査が必要になることもあります。

無症状の場合、どの性感染症を検査すればいいですか?

性行為の内容や感染部位によって必要な検査は異なります。一般的にはクラミジア、淋菌、梅毒、HIVなどが検討されますが、オーラルセックスでは咽頭、アナルセックスでは直腸の検査が必要になることもあります。

パートナーに症状がなければ、自分も検査しなくて大丈夫ですか?

いいえ。性感染症は本人にもパートナーにも症状が現れないことがあります。そのため、相手に症状がないことだけで感染していないとは判断できません。感染が心配な性行為があった場合には、それぞれが検査を受けて確認することが重要です。

無症状の性感染症検査は保険適用になりますか?

自覚症状がなく、感染していないかを確認する目的で希望する検査は、原則として自費診療になります。一方、排尿時痛や分泌物、できものなどの症状があり、医師が検査を必要と判断した場合には保険診療の対象となることがあります。

性感染症検査はどのくらいの頻度で受ければいいですか?

一律の頻度が決まっているわけではなく、性行為の頻度、パートナー数、コンドームの使用状況などによって異なります。感染機会が継続している場合やパートナーが変わった場合など、自分の状況に応じて定期的な検査を検討するとよいでしょう。

まとめ|症状がなくても性感染症検査は受けておくと安心です

性感染症は、感染していても自覚症状がほとんど現れないことがあります。また、一度症状が出ても自然に軽快し、治ったように見えるケースもあるため、症状の有無だけで感染を判断することはできません。感染機会があった場合や、新しいパートナーとの関係が始まった場合、複数のパートナーがいる場合などは、適切な時期に検査を受けて確認することが大切です。自分の状況に合わせて検査を取り入れ、性感染症の早期発見につなげましょう。

記事監修:島田航 泌尿器科専門医

2018年東京科学大学(旧東京医科歯科大学)医学部を卒業後、東京科学大学、JAとりで総合医療センター、土浦協同病院、神栖済生会病院にて泌尿器科を歴任。性感染症外来・泌尿器科外来に従事。

所属学会:日本泌尿器科学会/日本生殖医学会/日本泌尿器内視鏡ロボティクス学会/日本産業衛生学会

▪️参考文献

1)Fortas C, Delarocque-Astagneau E, Randremanana RV, Crucitti T, Huynh BT. Asymptomatic infections with Chlamydia trachomatis, Neisseria gonorrhoeae, and Trichomonas vaginalis among women in low- and middle-income countries: A systematic review and meta-analysis. PLOS Glob Public Health. 2024;4(5):e0003226.

2)Rodrigues R, Vieira-Baptista P, Catalão C, Borrego MJ, Sousa C, Vale N. Chlamydial and Gonococcal Genital Infections: A Narrative Review. J Pers Med. 2023;13(7):1170.

3)Singh AE, Romanowski B. Syphilis: Review with emphasis on clinical, epidemiologic, and some biologic features. Clin Microbiol Rev. 1999;12(2):187-209.

4)Richey LE, Halperin J. Acute human immunodeficiency virus infection. Am J Med Sci. 2013;345(2):136-142.

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