男性のクラミジア症状とは?
尿道の違和感・分泌物・無症状のケースと検査時期を解説

男性のクラミジアは、尿道のムズムズ感・かゆみ・排尿時の痛み・透明〜白っぽい分泌物などで気づくことがあります。一方で、症状が軽かったり、まったく症状が出なかったりすることも少なくありません。
この記事では、男性のクラミジアでよくある症状、症状が出る時期、似た症状が出る病気、検査のタイミング、治療やパートナー対応についてわかりやすく解説します。尿道の違和感や不安な行為がある方は、検査を考える目安として参考にしてください。
- クラミジアの代表的な症状は、尿道のムズムズ感・軽い排尿痛・透明〜白色の分泌物。
- 症状が出るまでの潜伏期間は1〜3週間程度。ただし、発症時期には個人差がある。
- 無症状や軽い違和感だけの感染も多く、痛みや膿がないことでは感染を否定できない。
- 感染を放置すると、精巣上体炎やパートナーへの感染につながる可能性がある。
- 診断には初尿を用いたPCRなどの核酸増幅検査が有効。

男性のクラミジアでよくある症状

尿道のムズムズ・かゆみ・違和感
クラミジアが尿道の粘膜に感染すると、尿道に軽い炎症が起こり、ムズムズ感・かゆみ・違和感として出ることがあります。強い痛みではなく、「なんとなく尿道が気になる」「先端がむずがゆい」といった軽い症状だけで経過するケースもあります。症状が弱いからといって、感染していないとは言い切れません。性行為後の尿道の違和感についての詳細は、性行為後に尿道の違和感がある場合に考えられる性病と検査の目安を参照ください。
排尿時の痛み・しみる感じ
尿道に炎症がある状態で尿が通ると、排尿時にしみる・ヒリヒリする・軽く痛むように感じます。クラミジアでは、淋菌感染症ほど強い痛みにならないことも多く、「少ししみる程度」で済んでしまう場合もあります。排尿時の違和感が続く場合は、尿道炎のサインとして注意が必要です。排尿時の痛みや染みる症状についての詳細は、排尿時に痛みやしみる症状時に考えられる性病と検査の目安で詳しく解説しています。
尿道からの透明〜白っぽい分泌物
クラミジアによる尿道炎では、尿道から透明〜白っぽい分泌物が出ることがあります。炎症によって尿道の粘膜から分泌液が増えるためです。量は少ないことも多く、朝起きたときに下着に少し付く、尿道口が湿っている程度で気づく場合もあります。黄色い膿が出ないから大丈夫とは限りません。尿道からの分泌物については、男性の尿道から分泌物が出る原因と検査の目安でも解説しています。
睾丸・精巣上体の痛みや腫れ
クラミジアを放置すると、尿道から奥へ感染が広がり、精巣上体に炎症が起こる原因になります。これを精巣上体炎といい、睾丸の痛み・腫れ・重だるさとして現れます。片側だけ痛むこともあり、歩くと響く、触ると痛いと感じます。尿道症状と一緒に出る場合は注意が必要です。
精巣上体の場所

陰嚢部分の痛みや違和感については、陰嚢が痛い時に考えられる性病でより詳しく解説しています。
下腹部や会陰部の違和感
クラミジアによる炎症が尿道周辺や前立腺周囲に影響すると、下腹部や会陰部に違和感・重だるさ・不快感が出ます。はっきりした痛みではなく、「股の奥が重い」「下腹部が気になる」といった曖昧な症状になるケースもあります。尿道症状が軽くても、関連して下腹部や会陰部の違和感も起こり得ます。
症状が軽い、またはまったくない場合もある
男性のクラミジアは、感染しても症状が軽い、またはまったく出ないことも稀ではありません。クラミジアは炎症が比較的ゆっくり進み、強い痛みや膿が出ないまま感染が続くケースも少なくありません。症状がなくても、パートナーへ感染させる可能性があるため、自覚症状だけで判断するのは危険です。
当院での男性クラミジアの相談例
相談例01|クラミジア
20代男性
数日前から尿道の違和感があり、「痛いというほどではないが、ムズムズする感じが続く」とのことで来院されたケースです。排尿時の強い痛みや膿はなく、最初は様子を見ていたものの、性行為後から症状が出ていることが気になり相談されました。
診察では、尿道炎の症状が軽度であってもクラミジア感染の可能性があるため、クラミジア・淋菌の検査を行いました。結果として、クラミジアの感染が確認されました。クラミジアは、強い痛みや黄色い膿が出ないことも多く、「少し違和感があるだけ」で見つかることがあります。軽い症状でも、性行為後に尿道の違和感が続く場合は検査で確認することが大切です。
相談例02|クラミジア・淋菌
30代男性
症状は特にありませんでしたが、パートナーが性病検査で陽性だったため、「自分も感染していないか確認したい」と来院されたケースです。尿道の痛み・かゆみ・分泌物などはなく、排尿時の違和感もありませんでした。
診察では、クラミジアや淋菌は症状がないまま感染していることがあるため、尿検査でクラミジア・淋菌を確認しました。結果として、クラミジアと淋菌の両方の感染が確認されました。性病は、症状がないからといって感染していないとは限りません。特にパートナーが陽性だった場合や、不安な性行為があった場合は、自覚症状がなくても検査を受けることが重要です。
男性のクラミジアはいつ症状が出るのか
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 潜伏期間 | 1〜3週間前後 |
| 早い場合 | 数日で違和感が出ることもある |
| よくある初期症状 | 尿道の違和感、排尿時のしみる感じ、透明〜白っぽい分泌物 |
| 無症状の場合 | 感染は持続している |
| 注意点 | 症状が出た時期だけで感染日を特定するのは難しい |
男性のクラミジアは、感染してから1〜3週間前後で尿道の違和感・排尿時のしみる感じ・分泌物などの症状が出現します。ただし、症状の出方には個人差があり、数日で違和感を覚える人もいれば、感染していてもまったく症状が出ない人もいます。クラミジアは症状が軽いまま進むことも多く、「いつ症状が出たか」だけで感染した日を正確に特定するのは難しいです。不安な性行為があった場合は、症状の有無にかかわらず、検査時期を見て確認することが大切です。
なぜ「1〜3週間」という潜伏期間になるのか
クラミジアの潜伏期間がこのレンジに収まるのは、単純に「菌が増えるのに時間がかかるから」ではありません。
クラミジアという病原体の“特殊な生き方”が関係しています。
クラミジアは細胞の中でしか増えられない
クラミジア(Chlamydia trachomatis)は、一般的な細菌と違い単独では増殖できず、人の細胞の中に侵入して初めて増えるという特徴があります。
- 粘膜(尿道など)に侵入
- 上皮細胞の中に入り込む
- 細胞の中でゆっくり増殖
- 細胞を壊して外に出る → 周囲に拡がる
免疫反応が遅れて立ち上がる
症状の正体は、菌そのものではなく体の免疫反応(炎症)です。
クラミジアは細胞の中に隠れ、毒素を大量に出すわけでもなく、比較的おとなしくじわじわと増殖していきます。そのため、体が「異常」と認識して炎症を起こすまでに時間がかかるのです。
- 菌の増殖
- 免疫の認識
- 炎症の発現
この3段階が揃うまでに1〜3週間程度かかるというわけです。
症状が軽い or 出ない理由もここにある
同じ理由で、クラミジアは症状が弱い(軽い違和感程度)もしくは無症状のまま進行することも少なくありません。特に男性では約半数が無症状とも言われており、これが世間一般で言われる「クラミジアは無症状のことが多い」理由となります。
クラミジアは自覚症状が乏しい場合もあるため、感染の可能性がある場合は検査による確認が重要です。具体的な検査方法や適切な検査時期、陽性だった場合の治療については、クラミジアの検査・治療方法を参照ください。
クラミジアと似た症状が出る性病
尿道の違和感・排尿時の痛み・分泌物などは、クラミジアだけでなく、淋菌感染症やマイコプラズマ・ウレアプラズマ、亀頭包皮炎、前立腺炎などでも起こります。症状だけで原因を正確に見分けるのは難しいですが、経過や症状の部位から疑いを持つことは可能です。
| 潜伏期間・発症までの目安 | 主な症状 | |
|---|---|---|
| クラミジア | 1〜3週間前後 | 尿道のムズムズ感、かゆみ、排尿時のしみる感じ、透明〜白っぽい分泌物。 |
| 淋菌 | 2〜7日前後 | 強い排尿痛、尿道から黄色〜白色の膿、尿道口の赤みや腫れ。 |
| マイコプラズマ・ウレアプラズマ | 1〜5週間前後 | 尿道の違和感、軽い排尿痛、かゆみ、分泌物など。クラミジアに似た尿道炎症状が出る。 |
| 亀頭包皮炎 | 数日で出ることあり | 亀頭や包皮の赤み、かゆみ、痛み、白いカス、におい。尿道よりも皮膚表面の症状が中心。 |
| 前立腺炎 | 急性では数日以内 | 会陰部の違和感、下腹部の重だるさ、排尿時の不快感、頻尿、残尿感、発熱を伴う。 |
淋菌
淋菌という細菌が性器もしくは咽頭粘膜に感染することによる性感染症です。男性では尿道炎として発症することが多く、強い排尿痛や黄色〜白色の膿が出現します。クラミジアより症状が急に強く出やすいのが特徴です。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ
マイコプラズマやウレアプラズマという細菌が尿道に感染し、尿道炎を起こすことがあります。クラミジアや淋菌が陰性でも、尿道の違和感・軽い痛み・分泌物が続く場合に原因となります。特にマイコプラズマ・ジェニタリウムという菌種は病原性の高い尿道炎起因菌として知られています。
亀頭包皮炎
亀頭や包皮に炎症が起きる病気です。細菌・カンジダ・蒸れ・摩擦・洗いすぎなどが原因になり、赤み・かゆみ・痛み・ただれ・白いカスなどが出ます。尿道の奥ではなく、皮膚表面の症状が中心です。
前立腺炎
前立腺に炎症が起きる病気です。細菌感染や慢性的な炎症により、会陰部の違和感、下腹部の重だるさ、頻尿、残尿感、排尿時の不快感などが続くことがあります。急性では発熱を伴うこともあります。
男性のクラミジアを放置するリスク

症状が自然に軽くなっても感染が残る
男性のクラミジアは、尿道の違和感や排尿時のしみる感じ、分泌物などが一時的に軽くなる場合があります。しかし、症状が落ち着いたからといって、クラミジアが自然に治った訳ではありません。体内に感染が残ったまま経過すると、知らないうちに炎症が続いたり、再び症状が出たりすることがあります。
パートナーへ感染を広げる可能性
クラミジアは症状が軽い、またはまったくない状態でも、性行為を通じてパートナーへ感染する可能性はあります。自分では治ったつもりでも感染が残っていると、相手にうつしてしまい、さらに相手から再び感染(ピンポン感染)することもあります。
精巣上体炎につながることがある
男性のクラミジアを放置すると、尿道の感染が奥へ広がり、精巣上体炎を起こす原因となります。精巣上体炎では、陰嚢や睾丸の痛み、腫れ、熱感、違和感などが症状として表れ、片側だけに症状が出るケースもあります。頻度は高くないものの、強い痛みを伴うこともあるため、睾丸の痛みや腫れがある場合は早めの受診が必要です。
クラミジアによる男性不妊への影響については、男性不妊におけるクラミジア・淋病の関係と妊活前の検査でも詳しく解説しています。
再感染を繰り返すリスク
クラミジアは一度治療しても、免疫がついて二度とかからなくなる病気ではありません。パートナーが未治療のままだったり、新たに感染している相手と性行為をしたりすると、再感染を繰り返します。再感染を防ぐには、本人の治療だけでなく、パートナーの検査・治療、治療完了までの性行為の回避、必要に応じた陰性確認検査が重要です。
クラミジアの検査はいつ受けるべきか
クラミジアの検査は感染機会の直後(数時間後)では、検査でも陽性を拾うことが難しいです。症状がある場合やパートナーが陽性とでた場合は自分に症状がなくても検査を受けるようにしましょう。
- 無症状:行為から24時間〜数日以降で検査
- 症状がある場合:早めに受ける
- パートナーが陽性:症状がなくても検査
咽頭感染が心配な場合は喉の検査も必要
クラミジアはディープキスやクンニといったプレイで女性から男性の咽頭へ感染する可能性があります。咽頭クラミジアの症状は「喉の違和感程度」に留まることが多く、風邪と見分けがつかないことも多いです。自身の症状やプレイ内容に併せて咽頭検査(うがい液)も検討しましょう。
咽頭へのクラミジア感染については、性行為後の喉の痛みや違和感における性病の可能性で詳しく解説しています。
男性のクラミジアの検査方法

男性クラミジアは尿検査で調べます。健康診断とは違い、出始めの尿を採取し、クラミジアが存在するかを検査します。
ガイドラインでも推奨される代表的な検査方法はNAAT(核酸増幅検査)です。当院はそのNAATの方法の1つであるPCR法で検査を行います。高い陽性的中率・陰性的中率を誇る信頼のおける検査方法です。
当院ではGeneXpert®︎システムを用いたリアルタイムPCR検査を院内で行うことができるため、即日で高い精度のクラミジア検査結果を知る事ができます。
東京検査クリニックではクラミジア・淋菌の即日迅速PCR検査に対応


当院では、クラミジア・淋菌の検査に迅速PCR検査機器(GeneXpert®︎システム)を導入しています。尿や分泌物などの検体から病原体の遺伝子を検出する検査で、一般的な外注検査よりも短時間で結果を確認しやすい点が特徴です。当院の場合は、90分程度で淋菌・クラミジア(性器・咽頭)の検査結果をお伝えする事が出来ます。
GeneXpert®︎の検査精度
国内相関性試験では、既承認検査との比較でクラミジアは総一致率97.9〜98.5%、淋菌は99.1%と、高い一致率が確認されています。
<既承認品との相関性試験成績>
| 検査対象 | 陽性一致率 | 陰性一致率 |
|---|---|---|
| クラミジア | 98.3〜99.4% | 97.4〜97.5% |
| 淋菌 | 98.1〜100% | 98.9〜99.3% |
引用:GeneXpert®︎「CT/NG」- ベックマン・コール
クラミジアと淋菌の迅速検査についての詳細は、東京で性病の即日検査|東京検査クリニックで詳しく解説しています。
男性のクラミジアに関するよくある質問
まとめ|男性のクラミジアは軽い症状でも検査で確認を
男性のクラミジアは、尿道の違和感や軽いかゆみ、排尿時のしみる感じなど、症状が軽く見逃されやすい感染症です。症状が自然に落ち着いても、感染が残っている場合があります。放置するとパートナーへの感染や精巣上体炎、再感染の原因になることもあります。不安な性行為があった場合や症状が続く場合は、自己判断せず検査で確認しましょう。
東京・五反田で性病検査をご希望の方は、東京検査クリニック五反田院の性病検査・診療案内をご確認ください。
記事監修:島田航 泌尿器科専門医
2018年東京科学大学(旧東京医科歯科大学)医学部を卒業後、東京科学大学、JAとりで総合医療センター、土浦協同病院、神栖済生会病院にて泌尿器科を歴任。性感染症外来・泌尿器科外来に従事。
所属学会:日本泌尿器科学会/日本生殖医学会/日本泌尿器内視鏡ロボティクス学会/日本産業衛生学会
▪️ 参考文献
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5)Gaydos CA, Van Der Pol B, Jett-Goheen M, et al. Performance of the Cepheid CT/NG Xpert Rapid PCR Test for Detection of Chlamydia trachomatis and Neisseria gonorrhoeae. J Clin Microbiol. 2013;51(6):1666-1672.




